「疲れやすい」「肌荒れ」「風邪をひきやすい」——その原因、ビタミン不足かも
はじめに
「最近、なんだか疲れやすい」 「肌荒れがなかなか治らない」 「風邪をひきやすくなった気がする」
こんな悩みを抱えていませんか?
これらの症状、実はビタミン不足が原因かもしれません。
ビタミンは体内でほとんど合成できないため、食事から摂る必要があります。しかし、現代の食生活では、特定のビタミンが不足しがちです。
この記事では、13種類のビタミンすべてについて、「なぜ必要なのか」「不足するとどうなるのか」「何を食べればいいのか」を徹底解説します。
ビタミンとは?
ビタミンは、体の機能を正常に保つために必要な微量栄養素です。エネルギー源にはなりませんが、三大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)の代謝を助け、体の調子を整える重要な役割を担っています。
ビタミンは大きく2種類に分けられます:
| 種類 | 特徴 | 種類数 | 注意点 |
| 脂溶性ビタミン | 油に溶ける、体内に蓄積される | 4種類(A、D、E、K) | 過剰摂取に注意 |
| 水溶性ビタミン | 水に溶ける、体外に排出されやすい | 9種類(B群8種+C) | 毎日摂る必要がある |
脂溶性ビタミン(4種類)
脂溶性ビタミンは、油と一緒に摂ると吸収率が上がります。体内に蓄積されるため、サプリメントでの過剰摂取には注意が必要です。
ビタミンA:目と肌の守護神
| 項目 | 内容 |
| なぜ必要? | 視力維持、皮膚・粘膜の健康、免疫機能 |
| 何をする? | 視覚色素(ロドプシン)の材料、皮膚・粘膜の細胞を正常に保つ |
| 不足すると | 夜盲症(暗いところで見えにくい)、肌荒れ、乾燥肌、感染症にかかりやすい |
| 過剰だと | 頭痛、吐き気、肝臓障害(サプリの摂りすぎに注意) |
| 1日の推奨量 | 男性850〜900μgRAE、女性650〜700μgRAE |
ビタミンAを多く含む食品:
| 食品 | 含有量(100gあたり) | 特徴 |
| 鶏レバー | 14,000μgRAE | 最強のビタミンA源(週1回程度に) |
| うなぎ | 2,400μgRAE | 夏バテ対策にも |
| ニンジン | 720μgRAE | β-カロテンとして(体内でビタミンAに変換) |
| ほうれん草 | 350μgRAE | β-カロテン+鉄分 |
| かぼちゃ | 330μgRAE | β-カロテン+食物繊維 |
ポイント: 動物性食品からは「レチノール」、植物性食品からは「β-カロテン」として摂取。β-カロテンは必要な分だけビタミンAに変換されるため、過剰症の心配が少ない。
ビタミンD:骨と免疫の要
| 項目 | 内容 |
| なぜ必要? | カルシウムの吸収促進、骨の健康、免疫機能、メンタルヘルス |
| 何をする? | 小腸でのカルシウム吸収を促進、骨へのカルシウム沈着を助ける |
| 不足すると | 骨粗しょう症、くる病(子供)、免疫力低下、うつ症状 |
| 1日の推奨量 | 8.5μg(成人) |
ビタミンDは「日光ビタミン」とも呼ばれ、紫外線を浴びることで皮膚で合成されます。しかし、現代人は室内で過ごす時間が長く、日焼け止めを使用するため、約8割の日本人がビタミンD不足と言われています 。
ビタミンDを多く含む食品:
| 食品 | 含有量(100gあたり) | 特徴 |
| サケ | 32μg | オメガ3も豊富 |
| サンマ | 19μg | 秋の味覚 |
| しらす干し | 61μg | カルシウムも一緒に |
| 干しシイタケ | 17μg | 日光に当てると増加 |
| 卵黄 | 5.9μg | 手軽に摂れる |
実践のコツ:
•1日15〜30分の日光浴(顔と手を露出)
•週2〜3回は魚を食べる
•キノコは日光に当ててから調理
ビタミンE:若さを保つ抗酸化ビタミン
| 項目 | 内容 |
| なぜ必要? | 抗酸化作用、細胞膜の保護、血行促進 |
| 何をする? | 活性酸素から細胞膜を守る、血液をサラサラにする |
| 不足すると | 老化促進、シミ・シワ、血行不良、冷え性 |
| 1日の目安量 | 男性6.5mg、女性6.0mg |
ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、強力な抗酸化作用を持っています。ビタミンCと一緒に摂ると、相乗効果で抗酸化力がアップします。
ビタミンEを多く含む食品:
| 食品 | 含有量(100gあたり) | 特徴 |
| アーモンド | 30mg | 間食に最適 |
| ひまわり油 | 39mg | 調理用に |
| アボカド | 3.3mg | 良質な脂質も |
| かぼちゃ | 4.9mg | β-カロテンとのダブル効果 |
| うなぎ | 7.4mg | ビタミンAも豊富 |
ポイント: ナッツを1日20〜25g(手のひら一杯)食べるだけで、ビタミンEの1日分を摂取できる。
ビタミンK:血液と骨の調整役
| 項目 | 内容 |
| なぜ必要? | 血液凝固、骨へのカルシウム沈着 |
| 何をする? | 血液凝固因子の合成、骨にカルシウムを定着させる |
| 不足すると | 出血しやすい、骨粗しょう症 |
| 1日の目安量 | 150μg(成人) |
ビタミンKには2種類あります:
•ビタミンK1: 緑黄色野菜に多い
•ビタミンK2: 納豆に多い(腸内細菌も産生)
ビタミンKを多く含む食品:
| 食品 | 含有量(100gあたり) | 特徴 |
| 納豆 | 930μg(K2) | 最強のビタミンK源 |
| ほうれん草 | 270μg(K1) | 鉄分も豊富 |
| ブロッコリー | 160μg(K1) | ビタミンCも |
| 小松菜 | 210μg(K1) | カルシウムも豊富 |
実践のコツ: 納豆を1日1パック食べるだけで、ビタミンKは十分に摂取できる。
水溶性ビタミン(9種類)
水溶性ビタミンは体内に蓄積されにくいため、毎日の食事から摂る必要があります。調理で失われやすいので、調理法にも注意が必要です。
ビタミンB群(8種類)
ビタミンB群は、エネルギー代謝に深く関わる8種類のビタミンの総称です。互いに協力して働くため、バランスよく摂ることが大切です。
ビタミンB1:糖質をエネルギーに変える
| 項目 | 内容 |
| なぜ必要? | 糖質の代謝、神経機能の維持 |
| 何をする? | 糖質をエネルギーに変換する酵素の補酵素 |
| 不足すると | 疲労感、集中力低下、脚気、イライラ |
| 1日の推奨量 | 男性1.4mg、女性1.1mg |
糖質を多く摂る人ほど、ビタミンB1の必要量が増えます。白米中心の食生活では不足しがちです。
多い食品: 豚肉(特にヒレ・もも)、玄米、大豆、うなぎ
ビタミンB2:脂質の代謝と美肌
| 項目 | 内容 |
| なぜ必要? | 脂質の代謝、皮膚・粘膜の健康 |
| 何をする? | 脂質をエネルギーに変換、細胞の再生を助ける |
| 不足すると | 口内炎、口角炎、肌荒れ、目の充血 |
| 1日の推奨量 | 男性1.6mg、女性1.2mg |
多い食品: レバー、卵、乳製品、納豆、アーモンド
ビタミンB6:タンパク質代謝とメンタル
| 項目 | 内容 |
| なぜ必要? | タンパク質の代謝、神経伝達物質の合成 |
| 何をする? | アミノ酸の代謝、セロトニン・ドーパミンの合成を助ける |
| 不足すると | 肌荒れ、貧血、うつ症状、PMS(月経前症候群) |
| 1日の推奨量 | 男性1.4mg、女性1.1mg |
タンパク質を多く摂る人ほど、ビタミンB6の必要量が増えます。筋トレをしている人は特に意識して摂りましょう。
多い食品: 鶏肉、マグロ、カツオ、バナナ、にんにく
ビタミンB12:赤血球と神経の健康
| 項目 | 内容 |
| なぜ必要? | 赤血球の生成、神経機能の維持 |
| 何をする? | DNAの合成、神経細胞の修復 |
| 不足すると | 悪性貧血、神経障害、記憶力低下、疲労感 |
| 1日の推奨量 | 2.4μg(成人) |
ビタミンB12は動物性食品にしか含まれないため、ベジタリアンやビーガンは特に注意が必要です。
多い食品: レバー、貝類(しじみ、あさり)、サバ、卵、チーズ
ナイアシン(B3):エネルギー代謝の中心
| 項目 | 内容 |
| なぜ必要? | 糖質・脂質・タンパク質すべての代謝 |
| 何をする? | 500以上の酵素反応に関与 |
| 不足すると | ペラグラ(皮膚炎、下痢、認知症)、疲労感 |
| 1日の推奨量 | 男性15mgNE、女性11mgNE |
多い食品: 肉類、魚類、キノコ、ピーナッツ
パントテン酸(B5):ストレス対応ビタミン
| 項目 | 内容 |
| なぜ必要? | エネルギー代謝、ストレスホルモンの合成 |
| 何をする? | コエンザイムA(CoA)の構成成分 |
| 不足すると | 疲労感、免疫力低下、手足のしびれ |
| 1日の目安量 | 5mg(成人) |
「パントテン」はギリシャ語で「どこにでもある」という意味。様々な食品に含まれるため、通常の食事で不足することは稀です。
多い食品: レバー、卵、アボカド、納豆、鶏肉
葉酸(B9):細胞分裂と妊娠
| 項目 | 内容 |
| なぜ必要? | DNAの合成、赤血球の生成、胎児の発育 |
| 何をする? | 細胞分裂を助ける、ホモシステイン(動脈硬化の原因物質)を減らす |
| 不足すると | 貧血、胎児の神経管閉鎖障害、動脈硬化リスク上昇 |
| 1日の推奨量 | 240μg(成人)、妊娠中は480μg |
妊娠を計画している女性は、妊娠前から葉酸を十分に摂ることが推奨されています。
多い食品: レバー、ほうれん草、ブロッコリー、枝豆、アスパラガス
ビオチン(B7):皮膚・髪・爪の健康
| 項目 | 内容 |
| なぜ必要? | 糖質・脂質・タンパク質の代謝、皮膚・髪・爪の健康 |
| 何をする? | カルボキシラーゼ(代謝酵素)の補酵素 |
| 不足すると | 皮膚炎、脱毛、爪がもろくなる |
| 1日の目安量 | 50μg(成人) |
腸内細菌も産生するため、通常は不足しにくいビタミンです。ただし、生卵の白身に含まれる「アビジン」はビオチンの吸収を阻害するため、生卵を大量に食べる人は注意が必要です。
多い食品: 卵黄、レバー、ナッツ、大豆、キノコ
ビタミンC:万能の抗酸化ビタミン
| 項目 | 内容 |
| なぜ必要? | 抗酸化作用、コラーゲン合成、免疫機能、鉄の吸収促進 |
| 何をする? | 活性酸素を除去、コラーゲンの合成を助ける |
| 不足すると | 壊血病、肌荒れ、免疫力低下、傷の治りが遅い |
| 1日の推奨量 | 100mg(成人) |
ビタミンCは、ストレスや喫煙で消費量が増加します。喫煙者は非喫煙者の2倍のビタミンCが必要と言われています 。
ビタミンCを多く含む食品:
| 食品 | 含有量(100gあたり) | 特徴 |
| アセロラ | 1,700mg | 最強のビタミンC源 |
| キウイ(ゴールド) | 140mg | 手軽に摂れる |
| ブロッコリー | 120mg | 加熱で減少するので注意 |
| パプリカ(赤) | 170mg | 加熱しても壊れにくい |
| いちご | 62mg | おやつに最適 |
| レモン | 100mg | 料理に絞って |
調理のコツ: ビタミンCは水に溶け、熱で壊れやすい。生で食べるか、短時間の加熱で。茹で汁も活用すると良い。
日本人が不足しがちなビタミン
厚生労働省の調査によると、日本人が特に不足しがちなビタミンは以下の通りです :
| ビタミン | 不足の原因 | 対策 |
| ビタミンD | 日光不足、魚の摂取減少 | 日光浴、魚を週2〜3回 |
| ビタミンB1 | 精製された穀物中心の食事 | 玄米、豚肉を食べる |
| 葉酸 | 野菜不足 | 緑黄色野菜を毎食 |
| ビタミンC | 野菜・果物不足、ストレス | 果物を毎日、野菜を増やす |
ビタミンを効率よく摂る食事例
朝食
•キウイ(ゴールド)→ ビタミンC
•卵(目玉焼き)→ ビタミンA、D、B群、ビオチン
•納豆 → ビタミンK、B群
•味噌汁(ほうれん草)→ 葉酸、ビタミンK
昼食
•サケ定食 → ビタミンD、B群
•ブロッコリー(付け合わせ)→ ビタミンC、K、葉酸
•玄米 → ビタミンB1
間食
•アーモンド → ビタミンE
•いちご → ビタミンC
夕食
•豚ヒレ肉 → ビタミンB1、B6
•かぼちゃの煮物 → ビタミンA、E
•レバニラ炒め(週1回)→ ビタミンA、B群、葉酸
まとめ:ビタミン摂取のポイント
| ビタミン | 主な働き | 特に多い食品 |
| ビタミンA | 目、肌、免疫 | レバー、ニンジン |
| ビタミンD | 骨、免疫、メンタル | サケ、日光浴 |
| ビタミンE | 抗酸化、血行 | ナッツ、アボカド |
| ビタミンK | 血液凝固、骨 | 納豆、緑黄色野菜 |
| ビタミンB1 | 糖質代謝、神経 | 豚肉、玄米 |
| ビタミンB2 | 脂質代謝、肌 | レバー、卵 |
| ビタミンB6 | タンパク質代謝、メンタル | 鶏肉、バナナ |
| ビタミンB12 | 赤血球、神経 | 貝類、レバー |
| ナイアシン | エネルギー代謝 | 肉、魚、キノコ |
| パントテン酸 | ストレス対応 | レバー、卵 |
| 葉酸 | 細胞分裂、妊娠 | 緑黄色野菜、レバー |
| ビオチン | 皮膚、髪、爪 | 卵黄、ナッツ |
| ビタミンC | 抗酸化、免疫、コラーゲン | キウイ、パプリカ |
3つの実践ポイント:
1.緑黄色野菜を毎食食べる(ビタミンA、C、K、葉酸)
2.週2〜3回は魚を食べる(ビタミンD、B群)
3.ナッツを間食に(ビタミンE)
次回予告
第3回では、ミネラル16種類の働きと、不足しやすいミネラルの効率的な摂り方を解説します。
「足がつりやすい」「貧血気味」「骨が心配」——これらの悩みは、ミネラル不足が原因かもしれません。
参考文献
この記事は「栄養完全ガイド」シリーズの第2回です 。
シリーズ一覧:
•第1回:栄養素の基本|三大栄養素の働きと選び方
•第2回:ビタミン完全ガイド|13種類の働きと食品(この記事)
•第3回:ミネラル完全ガイド|16種類の働きと食品
•第4回:身体に良い成分|ファイトケミカルの力
•第5回:身体に悪い成分|避けるべき食品と成分
•第6回:目的別食品ガイド|肉体・精神・社会的健康のための食事
最終更新:2026年1月



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