目的別食品ガイド|肉体・精神・社会的健康のための食事【完全ガイド第6回・最終回】

WHOの健康定義(肉体的・精神的・社会的健康)に基づく目的別食品ガイドを示すインフォグラフィック。中央にWHOの健康定義の3つの側面(肉体的・精神的・社会的)を配置し、周囲にスーパーフード10選(サケ、納豆、卵、ブルーベリー、ブロッコリー、緑茶、ナッツ、鶏胸肉、玄米、ニンニク)の写真を配置。科学的で信頼感のあるデザイン。栄養完全ガイド第6回・最終回。 健康とウェルネス

WHOの健康の定義に基づく、真の健康を実現する食事法

はじめに

「結局、何を食べればいいの?」

これまで5回にわたって、三大栄養素、ビタミン、ミネラル、ファイトケミカル、そして避けるべき成分について解説してきました。

最終回となる今回は、これらの知識を統合し、「目的別」に何を食べるべきかを具体的にまとめます。

ここで重要なのは、WHOの健康の定義です:

「健康とは、単に病気がないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいう」 — WHO憲章(1946年)

つまり、真の健康とは:

1.肉体的に良好 — 体が健康で、病気がない

2.精神的に良好 — メンタルが安定し、前向きでいられる

3.社会的に良好 — 人間関係が良好で、社会とつながっている

この3つの側面すべてを満たす食事法を、この記事で解説します。

肉体的健康のための食事

肉体的健康は、すべての基盤です。体が健康でなければ、精神的にも社会的にも良好な状態を保つことは難しくなります。

目標別の食事戦略

1. 体脂肪を減らしたい

戦略 具体的な食品 理由
タンパク質を増やす 鶏胸肉、サケ、卵、納豆 筋肉維持、満腹感、食事誘発性熱産生
低GI炭水化物を選ぶ 玄米、オーツ麦、さつまいも 血糖値の安定、脂肪蓄積を防ぐ
良質な脂質を摂る オリーブオイル、ナッツ、アボカド ホルモンバランス、満腹感
食物繊維を増やす 野菜、海藻、キノコ 腸内環境改善、満腹感
緑茶を飲む 煎茶、抹茶 カテキンによる脂肪燃焼促進

1日の食事例(ダイエット):

食事 メニュー ポイント
玄米、納豆、味噌汁、卵、緑茶 タンパク質+発酵食品
サケ定食(玄米、野菜) オメガ3+タンパク質
間食 ナッツ20g、ブルーベリー 良質な脂質+抗酸化
鶏胸肉、野菜たっぷり鍋 高タンパク+低カロリー

2. 筋肉をつけたい

戦略 具体的な食品 理由
タンパク質を体重×1.5〜2g 鶏胸肉、牛赤身、卵、ギリシャヨーグルト 筋肉合成の材料
ロイシンを意識 鶏肉、牛肉、マグロ、卵 筋肉合成のスイッチ
運動後30分以内に摂取 プロテイン、卵、鶏肉 ゴールデンタイム
炭水化物も適度に 玄米、オーツ麦、バナナ 筋肉のエネルギー、回復

3. 免疫力を高めたい

戦略 具体的な食品 理由
腸内環境を整える 納豆、味噌、ヨーグルト、キムチ 免疫細胞の70%は腸に
ビタミンD サケ、キノコ、日光浴 免疫調整
亜鉛 牡蠣、牛肉、ナッツ 免疫細胞の活性化
ビタミンC キウイ、パプリカ、ブロッコリー 白血球の機能強化
ニンニク ニンニク アリシンの抗菌作用

4. 腸内環境を改善したい

戦略 具体的な食品 理由
発酵食品(プロバイオティクス) 納豆、味噌、ヨーグルト、キムチ、ぬか漬け 善玉菌を直接摂取
食物繊維(プレバイオティクス) 玄米、海藻、野菜、キノコ、オーツ麦 善玉菌のエサ
オリゴ糖 バナナ、タマネギ、ゴボウ ビフィズス菌のエサ
避けるべきもの 加工食品、人工甘味料、抗生物質の乱用 腸内細菌を乱す

腸活の黄金ルール: 発酵食品+食物繊維を毎食摂る

5. 老化を遅らせたい(アンチエイジング)

戦略 具体的な食品 理由
抗酸化食品 ブルーベリー、緑茶、ダークチョコ 活性酸素を除去
オメガ3脂肪酸 サケ、サバ、くるみ 抗炎症、細胞膜の健康
コラーゲン合成を助ける ビタミンC(キウイ)、タンパク質 肌のハリ
AGEsを避ける 煮る・蒸す調理法 老化物質を減らす
カロリー制限(適度に) 腹八分目 長寿遺伝子の活性化

6. 病気を予防したい

病気 予防に効果的な食品 避けるべき食品
心疾患 青魚、オリーブオイル、ナッツ、野菜 トランス脂肪酸、加工肉
糖尿病 低GI食品、食物繊維、シナモン 清涼飲料水、精製糖
がん 緑黄色野菜、ブロッコリー、ニンニク 加工肉、焦げた肉
認知症 青魚、ブルーベリー、緑茶、ウコン トランス脂肪酸、過剰な糖質
骨粗しょう症 乳製品、小魚、納豆、ビタミンD 過剰な塩分、リン酸塩

精神的健康のための食事

精神的健康は、食事と深く関係しています。腸と脳は「腸脳相関」と呼ばれる密接なつながりがあり、腸内環境がメンタルヘルスに大きな影響を与えます 。

目標別の食事戦略

1. ストレスを軽減したい

戦略 具体的な食品 理由
マグネシウム ナッツ、海藻、玄米 「抗ストレスミネラル」、神経を落ち着かせる
ビタミンB群 豚肉、卵、納豆 神経機能の維持
GABA 発芽玄米、トマト、キムチ リラックス効果
オメガ3脂肪酸 サケ、サバ、くるみ 脳の炎症を抑える
ダークチョコレート カカオ70%以上 テオブロミンのリラックス効果

2. 睡眠の質を上げたい

戦略 具体的な食品 理由
トリプトファン バナナ、乳製品、ナッツ、大豆 セロトニン→メラトニンの材料
マグネシウム ナッツ、海藻、玄米 筋肉弛緩、神経安定
グリシン エビ、ホタテ、鶏肉 深部体温を下げ、深い眠りに
ビタミンB6 バナナ、鶏肉、マグロ トリプトファン→セロトニン変換を助ける
避けるべきもの カフェイン(午後)、アルコール、重い食事 睡眠の質を下げる

睡眠のための夕食例:

•サケ(トリプトファン、オメガ3)

•ほうれん草(マグネシウム)

•バナナ(トリプトファン、ビタミンB6)

•ホットミルク(トリプトファン、カルシウム)

3. 集中力・記憶力を高めたい

戦略 具体的な食品 理由
オメガ3脂肪酸(DHA) サケ、サバ、イワシ 脳の構成成分、神経伝達を助ける
コリン 卵、レバー、大豆 アセチルコリン(記憶の神経伝達物質)の材料
ブルーベリー ブルーベリー アントシアニンが脳血流を改善
緑茶 煎茶、抹茶 カテキン+テアニンで集中力アップ
ダークチョコレート カカオ70%以上 フラバノールが脳血流を改善
低GI炭水化物 玄米、オーツ麦 脳への安定したエネルギー供給

ブレインフード: サケ、卵、ブルーベリー、緑茶、ナッツ

4. うつ症状を予防・改善したい

戦略 具体的な食品 理由
オメガ3脂肪酸 青魚 脳の炎症を抑える、うつ症状を軽減
トリプトファン バナナ、乳製品、大豆 セロトニン(幸せホルモン)の材料
ビタミンD サケ、キノコ、日光浴 不足するとうつリスク上昇
葉酸 緑黄色野菜、レバー 不足するとうつリスク上昇
発酵食品 納豆、味噌、ヨーグルト 腸内環境改善→脳への好影響
避けるべきもの 加工食品、砂糖、アルコール 炎症を促進、腸内環境を乱す

5. 不安を軽減したい

戦略 具体的な食品 理由
マグネシウム ナッツ、海藻、玄米 不安軽減効果
プロバイオティクス ヨーグルト、納豆、キムチ 腸脳相関で不安軽減
緑茶(テアニン) 煎茶、抹茶 リラックス効果、α波を増加
カモミールティー カモミール 不安軽減効果
避けるべきもの カフェイン過剰、砂糖 不安を悪化させる

社会的健康のための食事

社会的健康とは、人間関係が良好で、社会とつながっている状態です。一見、食事とは関係なさそうですが、実は深いつながりがあります。

食事が社会的健康に影響する理由

1.見た目・第一印象: 肌、髪、体型は食事で大きく変わる

2.エネルギー・活力: 疲れていると社交的になれない

3.メンタルの安定: イライラしていると人間関係が悪化

4.自信: 健康で魅力的な体は自信につながる

目標別の食事戦略

1. 肌をきれいにしたい

戦略 具体的な食品 理由
ビタミンC キウイ、パプリカ、いちご コラーゲン合成、美白
ビタミンE ナッツ、アボカド 抗酸化、肌の老化防止
ビタミンA ニンジン、かぼちゃ 皮膚の再生
オメガ3脂肪酸 サケ、サバ 肌の炎症を抑える
コラーゲン 鶏皮、魚の皮、ゼラチン 肌のハリ(ビタミンCと一緒に)
水分 水、ハーブティー 肌の潤い
避けるべきもの 砂糖、揚げ物、アルコール 肌荒れ、老化促進

2. 髪をきれいにしたい

戦略 具体的な食品 理由
タンパク質 卵、鶏肉、魚 髪の主成分(ケラチン)の材料
亜鉛 牡蠣、牛肉、ナッツ 髪の成長に必須
レバー、赤身肉 毛根への酸素供給
ビオチン 卵黄、ナッツ 髪の健康維持
オメガ3脂肪酸 サケ、くるみ 頭皮の健康

3. 体臭を改善したい

戦略 具体的な食品 理由
腸内環境を整える 発酵食品、食物繊維 腸内の腐敗臭を減らす
クロロフィル 緑黄色野菜、パセリ 消臭効果
緑茶 煎茶 カテキンの消臭効果
避けるべきもの 肉の過剰摂取、ニンニク、アルコール 体臭の原因

4. 活力・エネルギーを高めたい

戦略 具体的な食品 理由
レバー、赤身肉、貝類 酸素運搬、エネルギー産生
ビタミンB群 豚肉、卵、玄米 エネルギー代謝
イミダゾールペプチド 鶏胸肉 抗疲労効果
コエンザイムQ10 イワシ、牛肉、ナッツ 細胞のエネルギー産生
低GI炭水化物 玄米、オーツ麦 安定したエネルギー供給

5. 魅力的な体型を維持したい

戦略 具体的な食品 理由
高タンパク質 鶏胸肉、魚、卵 筋肉維持、代謝アップ
低GI炭水化物 玄米、さつまいも 脂肪蓄積を防ぐ
食物繊維 野菜、海藻、キノコ 満腹感、腸内環境
良質な脂質 オリーブオイル、ナッツ ホルモンバランス
避けるべきもの 清涼飲料水、加工食品、菓子パン 肥満の原因

総合:理想の1日の食事

これまでの知識を統合した、理想的な1日の食事例を紹介します。朝食(7:00)

メニュー 栄養素・成分 効果
玄米(茶碗1杯) 食物繊維、マグネシウム、ビタミンB1 安定したエネルギー、腸活
納豆 タンパク質、ビタミンK2、イソフラボン 骨の健康、腸活
味噌汁(わかめ、豆腐) 発酵食品、ミネラル、イソフラボン 腸活、免疫
卵(目玉焼き) タンパク質、コリン、ビタミンD 脳機能、筋肉
緑茶 カテキン、テアニン 脂肪燃焼、集中力

昼食(12:00)

メニュー 栄養素・成分 効果
サケ定食 オメガ3、アスタキサンチン、ビタミンD 脳、肌、免疫
玄米 食物繊維、マグネシウム 安定したエネルギー
ほうれん草のおひたし 鉄、葉酸、ルテイン 貧血予防、目の健康
ブロッコリー スルフォラファン、ビタミンC 解毒、免疫

間食(15:00)

メニュー 栄養素・成分 効果
ナッツ(20g) ビタミンE、マグネシウム、オメガ3 抗酸化、ストレス軽減
ブルーベリー アントシアニン 目の健康、脳機能
ダークチョコ(1〜2片) ポリフェノール 抗酸化、リラックス

夕食(19:00)

メニュー 栄養素・成分 効果
鶏胸肉(蒸し or 煮る) タンパク質、イミダゾールペプチド 筋肉、疲労回復
野菜たっぷり味噌鍋 食物繊維、ビタミン、発酵食品 腸活、免疫
ニンニク アリシン 抗菌、疲労回復
雑穀米(少なめ) 食物繊維、ミネラル 腸活

就寝前(21:00)

メニュー 栄養素・成分 効果
ホットミルク or ハーブティー トリプトファン、リラックス成分 睡眠の質向上

スーパーフード10選

これまでの内容を踏まえ、特に優れた食品を10個厳選しました。

順位 食品 主な栄養素・成分 主な効果
1 サケ オメガ3、アスタキサンチン、ビタミンD、タンパク質 脳、肌、免疫、筋肉
2 納豆 タンパク質、ビタミンK2、イソフラボン、ナットウキナーゼ 骨、腸、血液
3 完全栄養食、コリン、タンパク質 脳、筋肉、全身
4 ブルーベリー アントシアニン 目、脳、抗酸化
5 ブロッコリー スルフォラファン、ビタミンC、食物繊維 解毒、免疫、腸
6 緑茶 カテキン、テアニン 脂肪燃焼、集中力、抗酸化
7 ナッツ(くるみ、アーモンド) オメガ3、ビタミンE、マグネシウム 脳、肌、ストレス
8 鶏胸肉 タンパク質、イミダゾールペプチド 筋肉、疲労回復
9 玄米 食物繊維、マグネシウム、ビタミンB1 腸、エネルギー、ストレス
10 ニンニク アリシン 抗菌、免疫、疲労回復

避けるべき食品ワースト5(再掲)

順位 食品 理由
1 清涼飲料水 果糖ブドウ糖液糖→肥満、糖尿病
2 加工肉 亜硝酸塩→大腸がん
3 マーガリン トランス脂肪酸→心疾患
4 ポテトチップス アクリルアミド、酸化油→発がん性
5 菓子パン トランス脂肪酸、砂糖→肥満、心疾患

まとめ:健康のための食事10カ条

1.毎食、タンパク質を手のひらサイズ摂る(鶏胸肉、魚、卵、大豆)

2.炭水化物は「精製されていない」ものを選ぶ(玄米、オーツ麦)

3.毎日、発酵食品を食べる(納豆、味噌、ヨーグルト)

4.毎日5色以上の野菜・果物を食べる

5.週2〜3回は青魚を食べる(サケ、サバ、イワシ)

6.間食はナッツとベリー類に

7.緑茶を1日3〜5杯飲む

8.清涼飲料水をやめる

9.加工肉を減らす

10.調理法は「揚げる・焼く」より「煮る・蒸す」

おわりに:食事は人生を変える

この6回シリーズを通じて、栄養素の基本から具体的な食事法まで解説してきました。

最後にお伝えしたいのは、食事は単なる「栄養補給」ではないということです。

食事は:

•体を作る(肉体的健康)

•心を整える(精神的健康)

•人生を豊かにする(社会的健康)

WHOの定義する「真の健康」を実現するための、最も基本的で、最も強力なツールです。

僕自身、37歳で健康診断に引っかかり、食事を変えることで人生が変わりました。体脂肪が減り、エネルギーが増え、メンタルが安定し、自信がつきました。

あなたも、今日から始めてみませんか?

完璧を目指す必要はありません。まずは1つ、できることから始めてみてください。

•清涼飲料水を水に変える

•白米を玄米に変える

•毎日納豆を食べる

小さな変化が、大きな変化につながります。

シリーズ完結

「栄養完全ガイド」シリーズ全6回:

第1回:栄養素の基本|三大栄養素の働きと選び方

第2回:ビタミン完全ガイド|13種類の働きと食品

第3回:ミネラル完全ガイド|16種類の働きと食品

第4回:身体に良い成分|ファイトケミカルの力

第5回:身体に悪い成分|避けるべき食品と成分

•第6回:目的別食品ガイド|肉体・精神・社会的健康のための食事(この記事)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

参考文献

[1] Cryan JF, Dinan TG. “Mind-altering microorganisms: the impact of the gut microbiota on brain and behaviour.” Nat Rev Neurosci. 2012;13(10):701-712.

[2] Grosso G, et al. “Omega-3 fatty acids and depression: scientific evidence and biological mechanisms.” Oxid Med Cell Longev. 2014;2014:313570.

[3] Boyle NB, et al. “The Effects of Magnesium Supplementation on Subjective Anxiety and Stress—A Systematic Review.” Nutrients. 2017;9(5):429.

最終更新:2026年1月

著者について

このシリーズは、37歳で健康診断に引っかかり、ボディメイクと健康改善に取り組んだ実体験と、科学的な文献調査に基づいて執筆されました。

「MindFlow Diet」は、WHOの健康の定義に基づき、肉体的・精神的・社会的健康のすべてを実現するための包括的なウェルネスプログラムです。

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